その投げ出しようはちょっと悲しかったが、CM制作途中のこんなことは日常茶飯事。プレゼンは5分で終わった。
トボトボと会社に帰ると。N君がせっせとマーブルチョコに周波数を刷り込んでいる。
「お〜す。」
「お疲れです。どうやったですかプレゼン?」
「どのコンテもめちゃめちゃ、カッコよくて、素晴らしいって。」
「え!採用ですか?」
「‥‥、ラジオの業界を宣伝するような時にはいいんやけど‥‥。‥‥今回はあのラジオ局の聴取率を上げるためやそうで‥‥。別のパターンでもう一回、プレゼンすることになったよ。」
「それやったら、このマーブルどうします?」
「置いとけよ、3時に食べることにしょー。」
「こんなに沢山ですか?」
「え!お前!どれだけ買ったんや!」
「50本です。段ボール箱いっぱい!‥‥。」
「お疲れです。どうやったですかプレゼン?」
「どのコンテもめちゃめちゃ、カッコよくて、素晴らしいって。」
「え!採用ですか?」
「‥‥、ラジオの業界を宣伝するような時にはいいんやけど‥‥。‥‥今回はあのラジオ局の聴取率を上げるためやそうで‥‥。別のパターンでもう一回、プレゼンすることになったよ。」
「それやったら、このマーブルどうします?」
「置いとけよ、3時に食べることにしょー。」
「こんなに沢山ですか?」
「え!お前!どれだけ買ったんや!」
「50本です。段ボール箱いっぱい!‥‥。」
そんな会話をしながらもN君は周波数を刷り込んでいるのだ。春も終わりの午后四時。ちょっとオレンジに傾いた斜めの光線が窓から差し込んで、机の上に散乱するマーブルチョコの空箱がコロコロと風に揺れていた。
(マーブルチョコレートというのは商標で、正式には碁石形チョコレートらしい。)
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