2009年12月22日火曜日

インディアンカレー

大阪の堂島は毎日、朝日の新聞社発祥の街。
毎日新聞大阪本社の前にある階段は堂島地下街に直結していた。
企業の本社がまだ大阪にあった頃の地下街は、まるで通勤ラッシュ並の混雑で、歩いていると通勤電車の延長のような気分だった。


この溢れかえる人並みや夜遅くシャッターが降りてガラ〜ンとした地下街は、好景気、不景気、社会問題、教育問題などのニュース企画で使われる、イメージカット撮影には最適の場所だった。
管理事務所の方達とも顔見知りになっていて、
「宜しくお願いします。」
「ニュースの取材ですか。それでは撮影許可の腕章ね」……
あの広い堂島地下街を僕だけの撮影スタジオにしていた。



それなりに忙しい青春をこの街で過ごした僕は、毎日のようにインディアンのカレーを食べていた。
青年の注文は決まって「大もり、全卵!」。

時々、思いだしたように無性に食べたくなるのだが、数年前、そのインディアンが丸の内側のビルに開店した。佇まいはまさしくインディアンで、行列ができるほどではないが結構な繁盛ぶり。しばらく並んで食べることができた。
昔のことを思いだして無意識のうちに「フツーでゼンラン!」と大声で注文すると、客も店員さんも全員僕の顔を見る。そうであるか、ここは東京の丸の内だった……。


 すると年配の店長さんが「おたく堂島の店に来てはったでしょう?」と聞いてきた。
おお!なんと堂島地下街のインディアンにおられた店員さんだった。
「新聞関係の人はだいたい全卵って言いはりましたな〜」と懐かしそうに……。
全卵とは白身も黄身も入れること。


店長が出勤のときには「ぜーんーらーん!」と最近は堂々と大声で注文している。(笑)

(今日の言葉)
インディアンカレー 毎日新聞社 朝日新聞社 堂島地下街 丸の内
 

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