2010年10月19日火曜日

世界遺産にて。「美貌なれパリ」


ベルリンの壁があった頃、報道関係各社の総局や支局はパリに集中していて、そこを拠点に東欧、アラビア、アフリカ方面に出かけていた。今のようにインターネットや携帯電話はなく、出入国時の通関システィムもウンザリするほど煩雑で、取材が終わってヨレヨレになってヨーロッパ総局に辿り着いたときの、オレンジ色のパリの街灯にどれだけ癒されたろうか。






セーヌ河畔は世界遺産。
河を巡る最近のバトームシュには中国語が追加された。
バトームシュに解説のアナウンスが追加されたということは、経済的に豊かになった証拠だとドライバーのデゥミトリーが言っていた。

昔、アムステルダム国立美術館で撮影しているときに、見学にきていた日本の女学生達が下品に騒がしくて係員に注意されていたが、中国人観光客はその上をいっている。でもオーストラリアのおばさん達もなかなか騒がしい。大阪のおばちゃんに似て、楽しくなる。


やっぱりエフェル塔は素晴らしい。

東京タワーは勿論、日本人の誇りだが、なんと言ってもエッフェル塔はその周囲がよく整備されていて、Longの撮影をするとファインダーには素晴らしい納まり具合。エッフェル塔もそうだが、パリという街は計算された都市計画の見本だ。オスマン知事は偉かった。
これは矮小な私見だが、映像のフレームに心地よく収まる建築はだいたい美しいのだ。

ギャハリーラファイエットデパートの屋根。

ここも素晴らしい。ただ、このアングルを撮影するための場所が女性下着の巨大な売場で、僕はファインダーを覗いているからいいのだけれど、他のスタッフは大変だったですよとコーォディネイターの武井女史が笑っていた。

一階の化粧品売場には資生堂のブースがあって、堂々と世界の高級ブランドと肩を並べていた。日本の店員さんと目が合って小さく挨拶。こんな超激戦区で頑張っているな〜とジーンとなった。ラファイエットデパートの資生堂、率直にカッコ良かった…。

ああ、憧れのルーブル美術館。



おお!ミロのビーナス。

しかし広報のスタッフはたいへんな女性だった。
眼鏡がよく似合う美人だけれど、日本人が嫌いのようだ。
こんな人に出会ったら、スタッフはボ〜と遠くを見ているのに限る。
後は武井さんが話をつける。
フランスでの取材は彼女無しには成立たない。



堂々としたサモトラケのニケ像。

ダビデ像、ピエタ、そしてニケ像を見上げるたびに心が洗われる。
多国籍軍照明チームが煩雑な組立作業を終えるまで、
僕は体育座りで見上げていた。



ベルサイユ宮殿にて。


一生の思い出だった。

ガラ〜ンとした休館日のルーブル美術館を走り回って……楽しかったな……

遅い午後、斜めの光に浮かぶニケ像を今でも想いだす……。


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