2011年5月10日火曜日

Ikegami HLV-55。


 10年ほど前に廃棄処分になっていたカメラだが、帳簿上は数年前に償却になったカメラ。
ボディーのサインは東大寺にYo-Yo-Ma氏が演奏に来られた時に書いてもらった。
確かインタビューの撮影で、MBSの高沖ディレクターの仕事だったと思う。彼が僕を紹介した途端、Ma氏が僕に向かって「君のような人は死んでは行けない……」という内容のことを話されたと思う……高沖君が何を言ったのかは謎。
 東大寺大仏殿でYo-Yo-Ma氏がPRESS用に演奏した無伴奏は本当に素晴らしかった。
今でもあの音色を忘れない……。



同じカメラの反対側には黒田征太郎氏の絵が……。
龍村 仁監督の番組で、阪神淡路大震災の復興チャリティーで絵を描かれていた黒田氏にご出演頂いたときのもの。黒田征太郎。いい兄貴だ……と思った。



「こんなカメラに描いてええんか!」
「お願いします。」
「世界に一台だけのカメラやね。サイン入れとくから……」

「黒田さんって、なんか兄貴みたいな匂いがしますけど……」
「うれしぃな!ほんならもう一枚描いたろ。」



 今も会社の入口に黒田さんの絵が掛けてある。
この絵を見るたびに、震災で崩れた風景と瓦礫の臭いが蘇り、灰色の街に沈んで行く太陽の朱を想いだす。


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