2009年3月14日土曜日

世界遺産スタッフルーム。

 ある日電話があった。世界遺産プロデュサーの大野さんからだった。
「京都の世界遺産、ラッシュ見ました。これから本体のキャメラやりませんか?取りあえず来月からイランなんですよ‥…。」ということで僕は世界遺産のスタッフになった。
 関西の放送局の三倍はある巨大なTBS。エレベーターを降りると、辻村さん、大野さん。二人のプロデュサーが笑って立っておられた。お二人とも、僕がローカル局で撮影していた番組を既に御覧になっていて、特に辻村さんは報道特集を担当されていたので、僕のことはご存知だった。「僕たちが後ろで守りますから、エンジン全開で好きにやって下さい。」
その言葉通り僕はお二人には随分と助けていただいた。(僕はこのお二人からプロデュサーの戦略と戦術がどれほど大切なものか教えられた。)

 関西出身のAD、K君に案内されたスタッフルームは、世界遺産の頭脳であるディレクターの部屋で、NHKを始め民放でも最高峰の番組を制作している部署にしては、驚くほど小さな部屋だった。
ディレクターの多くが海外出張中のこの部署を運営しているのは聡明な女性達。とてもいい雰囲気で、なんとなく番組の勢いを感じさせる。女性が元気な会社はだいたいいい仕事をしている。何と言っても「お金」の管理がしっかりしている。(笑)
 
 撮影部は子会社で、世界遺産の機材はこの会社で調達する。当然のことだが新参者には撮影部の”入り口”が容易に見つからないし、組織に馴染ませてくれない。東京ではその傾向が特に強く、予想はしていたが撮影部の壁は「無視」「拒視」「蔑視」となかなか結構なぶ厚さだった。こんな状態の時には焦らず”控えめにデカイ顔”をして時間が経つのを待つしかない。それにしてもスタッフキャメラマンの部署というのは北から南まで不思議なほど同じ空気だ。これと違う空気にすれば、それだけでいい撮影部になるかも(笑)。

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